makebanner

説明

このコマンドは NITRO ROM 用のものです。TWL ROM については makebanner.TWL を参照してください。

 makebanner は、バナーファイルと呼ばれる TWL 本体や DS/DS Lite 本体起動時のランチャーで表示されるアプリケーションの識別画像情報などをまとめたファイルを作成するためのツールです。

 バナーファイルには画像データと各言語毎のゲームタイトル名の情報が含まれており、バナースペックファイル(BSF)と呼ばれるファイルの記述を元に生成されます。生成されたバナーファイルは makerom によってアプリケーション ROM イメージへ格納されます。

使用方法

起動コマンド

% makebanner [-d] [-N ICON_BASENAME] SPECFILE [BANNERFILE]

 SPECFILE で指定されたバナースペックファイル(後述)の記述にしたがってファイルを結合し、 BANNERFILE という名前で作成します。BANNERFILE は省略可能です。省略時には SPECFILE で指定されたファイル名の拡張子部分を .bnr としたファイル名が使用されます。

 -N オプションによって通常バナースペックファイルで指定するバナーのアイコンファイルをコマンドラインから指定できます。ICON_BASENAME に指定されたベース名に拡張子 .nbfc および .nbfp を付けたものをそれぞれ画像イメージファイルおよび画像パレットファイル名とします。これはバナースペックファイル内で ImageFile: および PlttFile: パラメータで指定する値を上書きします。

 -d オプションは makebanner のデバグ用メッセージ出力用のオプションで実行時にデバグ用メッセージを出力します。普段は必要ありません。

バナースペックファイルフォーマット

 バナースペックファイルは画像データのファイルや各言語のゲームタイトル名を指定するテキストファイルです。Unicode (UTF-16LE BOM 付き) で記述、保存する必要があります。MS-Windows 2000/XP のメモ帳 (US版:NotePad) は Unicode に対応しています。保存時の文字コード (US版:Encoding) 指定タブで Unicode を選択してください。

パラメータ

 パラメータの指定と値は ':'(コロン)で区切ります。

画像ファイルパラメータ

ImageFile: [画像イメージファイル名]
32×32の16色の画像イメージのバイナリを指定します。
キャラクタデータを1次元マッピングで格納して下さい。
先頭の512バイトがバナーファイルへ書き込まれます。
PlttFile: [画像パレットファイル名]
画像パレットのバイナリを指定します。
先頭の32バイトがバナーファイルへ書き込まれます。

ntexconv (-no -bg -bgb -bgnc) などを使用して画像ファイルからイメージとパレットのバイナリデータを作成して下さい。

-N オプションによってコマンドラインから画像ファイルパラメータを指定することもできます。

バージョンパラメータ

Version: [バナーバージョン]
バナーバージョンを指定します。
このパラメータは中国、または韓国向けアプリケーションの場合のみ必要です。
中国向けアプリケーションの場合は'2'を、韓国向けアプリケーションの場合は'3'を指定します。

言語パラメータ

JP: [日本語ゲームタイトル名]
EN: [英語ゲームタイトル名]
FR: [フランス語ゲームタイトル名]
GE: [ドイツ語ゲームタイトル名]
IT: [イタリア語ゲームタイトル名]
SP: [スペイン語ゲームタイトル名]
各言語毎のゲームタイトル名を記述します。最大で3行128文字まで指定できます(改行文字を含みます)。
1行目には必ず文字列を指定して下さい。スペースまたはタブから始めた場合、前の行の続きの行となります。
空行をはさんだ場合には次の言語パラメータまでの内容は破棄されます。1行目または2行目を空欄にして3行目に記述したい場合は、空欄にしたい行の内容を " " としてください。
記述の順番に関わらず、日本語/英語/フランス語/ドイツ語/イタリア語/スペイン語の順にバナーファイルへ格納されます。 格納フォーマットはバナースペックファイルと同じ UTF-16LE (ただしBOM無し) となります。

JP: [英語ゲームタイトル名]
EN: [英語ゲームタイトル名]
FR: [英語ゲームタイトル名]
GE: [英語ゲームタイトル名]
IT: [英語ゲームタイトル名]
SP: [英語ゲームタイトル名]
CN: [中国語ゲームタイトル名]
中国向けアプリケーションの場合は上記の形式で中国語のバナーを指定します。
JP: [英語ゲームタイトル名]
EN: [英語ゲームタイトル名]
FR: [英語ゲームタイトル名]
GE: [英語ゲームタイトル名]
IT: [英語ゲームタイトル名]
SP: [英語ゲームタイトル名]
CN: [英語ゲームタイトル名]
HN: [韓国語ゲームタイトル名]
韓国向けアプリケーションの場合は上記の形式で韓国語のバナーを指定します。
このとき韓国語用のゲームタイトル名以外は、すべて英語で記述します。
使用可能な文字や文字コードなどに関しては別途配布されているDSバナーガイドラインをご参照ください。

書式について

 パラメータ指定は各行の初めから記述する必要があります。'#' から始まる行はコメントとして扱われます。
 先頭以外の空白は文字列へ含まれますが、" (ダブルクォーテーション) で囲むことで、先頭の空白や文字列中の " を含むことができます。

#BSF --- Banner Spec File

ImageFile:  banner.nbfc
PlttFile:   banner.nbfp

JP:  ニトロ
     " にほんご"
EN:  Nitro1
     English
FR:  Nitro2
GE:  Nitro3
IT:  Nitro4
SP:  " Nitro5"

警告について

設定したゲームタイトルがTWL 本体や DS/DS Lite 本体起動時のランチャーで正しく表示されない場合は、 以下のような警告が出力されます。

ランチャーで表示不可能である文字が設定された場合は以下の警告が出力されます。

Warning: !!!!  JP in line 1
Warning: !!!!  Game title includes undisplayable characters.

実際にはTWL 本体や DS/DS Lite 本体では一部の漢字や記号を表示することができますが、これらの文字を指定することはできません。
使用できる文字コードについては別途配布していますDS バナーガイドラインをご参照ください。

ランチャーで表示した場合に表示枠よりゲームタイトルの横幅が大きく、 正しく表示されない場合に以下の警告が出力されます。
TWL 本体と DS/DS Lite 本体の表示可能サイズでチェックしています。 以下はTWL 本体で1ピクセル枠よりはみ出すことを示しています。

Warning: !!!!  EN in line 1
Warning: !!!!  Game title exceeds TWL menu size(240 pixel) by 1 pixel.

場所

$TwlSDK/tools/bin/makebanner.exe

参照

バナー (overview), makerom

履歴

2009/06/18 使用可能な文字についてはDSバナーガイドラインを参照してもらうよう説明追記
2009/06/02 漢字の警告を削除。使用できる文字コードに関する説明追記
2009/05/08 中国向けアプリケーションのゲームタイトル名の指定方法を一部削除
2009/04/13 中国向けアプリケーションのための説明追加
2008/11/27 例中のゲームタイトルを修正、漢字の警告追加
2008/10/20 ゲームタイトルの横幅の警告を追加
2008/10/17 DS バナーに関するドキュメントのリンク先を変更
2008/09/12 DS バナーに関するドキュメントのリンク追加
2007/01/12 中国、韓国向けアプリケーションのための説明追加
2004/09/10 使用可能文字一覧テキストへリンク追加
2004/08/28 初版作成